『存在のすべてを』感想|号泣者続出!なぜ「親子の別れ」に涙が止まらないのか?

文学・評論
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存在のすべてを

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  1. 🤔もし、法を犯してでも守りたい「家族」ができてしまったら、あなたはどうしますか?
  2. 🎁この記事で、あなたの心に灯る3つの感情
  3. ❓なぜ読者は、誘拐犯に「幸せになってほしい」と願ってしまうのか?
  4. 📖【ネタバレなし】『存在のすべてを』あらすじ紹介:30年の時を経て、一本の絵筆が語り出す未解決事件の真実
  5. 🗣️なぜ『存在のすべてを』の感想は「涙腺崩壊」の声で溢れるのか?読者の評価から紐解く感動の源泉
  6. 🔑【微ネタバレ注意】『存在のすべてを』の魅力。物語の魂は、この3つのキーワードに宿る
    1. 【深掘り解説①】罪の上に築かれた、3年間の「本物の家族」
    2. 【深掘り解説②】誘拐ミステリーから、圧巻の人間ドラマへの変貌
    3. 【深掘り解説③】「存在」を問う、写実画に込められた魂のメッセージ
  7. 🎧この感動を、「耳で観る映画」として120%味わう方法
  8. 🧭『存在のすべてを』登場人物と簡易年表
    1. 主要な登場人物たち
    2. 物語の簡易年表
  9. ❓『存在のすべてを』に関するよくある質問
    1. Q. 著者の代表作『罪の声』と似ていますか? どちらを先に読むべき?
    2. Q. 美術や絵画に詳しくなくても楽しめますか?
    3. Q. 結末がもやもやする、貴彦はどうなったの?という感想を見かけますが…。
  10. 💌それでも「本物」を信じたい、あなたへ
  11. 📣【追伸】文字だけでは味わえない、『存在のすべてを』の魂の聴き方
    1. 魂を揺さぶる、蒼木智大氏の「声の演技」
    2. あなたの日常が、物語の舞台に変わる

🤔もし、法を犯してでも守りたい「家族」ができてしまったら、あなたはどうしますか?

平成3年に起きた、奇妙な誘拐事件。30年の時を経て、その真相が少しずつ明らかになっていく…。塩田武士さんの『存在のすべてを』は、そんな言葉から始まる物語です。

しかし、この物語は単なる事件の謎解きではありません。ページをめくるうちに、私たちはいつしか問いかけられていることに気づきます。

「血の繋がりだけが、家族の証なのか?」
「罪の上に築かれた幸せは、果たして本物なのだろうか?」

もしあなたが、心を鷲掴みにされるような深い感動や、読み終えた後も登場人物たちの人生に思いを馳せてしまうような、骨太な物語を求めているのなら。この記事は、あなたのためになるかもしれません。

この物語が、なぜ多くの読者の涙腺を崩壊させ、「人生最高の1冊」とまで言わしめるのか。その感動の源泉へ、一緒に旅を始めましょう。

🎁この記事で、あなたの心に灯る3つの感情

この記事を最後まで読んだとき、あなたの心はきっとこれらの感情で満たされているはずです。

  • 心の奥底から涙が溢れ出す、切なくも温かいカタルシスを味わいたい。
  • 巧みな物語の構造に唸り、ミステリーが人間ドラマへと昇華する瞬間に鳥肌を立てたい。
  • 「本物とは何か」という問いを胸に、日常の風景が少し違って見えるような、深い思索に浸りたい。

❓なぜ読者は、誘拐犯に「幸せになってほしい」と願ってしまうのか?

『存在のすべてを』の感想を読み解くと、一つの不思議な共通点に気づきます。それは、誘拐という許されざる罪に加担した人物たちに対し、多くの読者が罰を望むのではなく、その幸せを心から願っているという点です。

この物語は、単純な善悪二元論では決して割り切れない、人間の心の機微を深く、そして痛々しいほど丁寧に描き出します。読み進めるほどに、「正しさ」と「幸せ」が必ずしも一致しない現実を突きつけられ、私たちの倫理観は静かに、しかし確実に揺さぶられます。

この記事では、その感情の揺らぎの正体に迫っていきます。

📖【ネタバレなし】『存在のすべてを』あらすじ紹介:30年の時を経て、一本の絵筆が語り出す未解決事件の真実

物語は、平成3年に神奈川で発生した前代未聞の二児同時誘拐事件から幕を開けます。

警察の懸命な捜査もむなしく、身代金の受け渡しは失敗。被害男児の一人、当時4歳の内藤亮は行方知れずとなります。しかし3年後、亮は祖父母の家に忽然と姿を現すのです。まるで大切に育てられてきたかのような身なりで。しかし、「空白の3年間」について、彼は固く口を閉ざしたままでした。

そして30年の時が流れた現代。当時、警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに、時効となったあの事件の再取材を決意します。取材を進めるうち、彼はある孤高の写実画家野本貴彦の存在にたどり着きます。

なぜ亮は3年間、沈黙を守ったのか。そして、質感なき時代に「実」を見つめ続けた画家の人生と、誘拐事件との間に隠された、あまりにも切ない繋がりとは——。

🗣️なぜ『存在のすべてを』の感想は「涙腺崩壊」の声で溢れるのか?読者の評価から紐解く感動の源泉

レビューには、この物語がどれほど多くの人の心を掴んだかを雄弁に物語っています。特に目立つのは、「涙が止まらなかった」「号泣した」という声。

「花火を見た後に告げられた別れの場面は、今こうして思い出しただけで涙で目が霞む。」

「別れのシーンは、涙涙なので外で聴くことをおすすめできません。」

多くの読者が指摘するように、物語の核心には「親子の別れ」のシーンがあります。しかし、それは単純な悲劇ではありません。

また、「最初はミステリーだと思った」という声も非常に多く見られます。

「物語のスタートからは想像も出来ない、読み終えた後の何とも言えない切ない感動を覚えた素晴らしい作品でした」

「中盤までは、身代金誘拐の話だと思ってた…それでも終盤に続くにつれて、いろんな伏線がつながりこれ以上の結末はないなと思う、最後はグッときて泣けてきました」

誘拐事件の謎を追うサスペンスフルな序盤から、次第に一組の男女と一人の少年の人間ドラマへと物語が深化していく…この巧みなジャンルの越境こそが、読者を予想もしなかった感動の渦へと巻き込む大きな要因なのです。

🔑【微ネタバレ注意】『存在のすべてを』の魅力。物語の魂は、この3つのキーワードに宿る

この物語の魂に触れる前に、知っておいてほしい3つのキーワードがあります。これらを心に留めておくことで、あなたの読書体験はさらに深く、忘れがたいものになるはずです。

  • 罪の上に築かれた、3年間の「本物の家族」
  • 誘拐ミステリーから、圧巻の人間ドラマへの変貌
  • 「存在」を問う、写実画に込められた魂のメッセージ

ここからは、これらのキーワードを一つずつ、物語の核心に触れながら深掘りしていきます。

【深掘り解説①】罪の上に築かれた、3年間の「本物の家族」

この物語の心臓部であり、最も多くの読者の涙を誘うのが、「空白の3年間」に描かれる野本貴彦優美、そして少年・の暮らしです。

彼らの出会いは、貴彦の兄が起こした誘拐事件という最悪の形でした。しかし、実の母からネグレクトを受けていた亮にとって、貴彦と優美との生活は、生まれて初めて「家族の温もり」を知るかけがえのない時間となります。抜けた乳歯を大切に保管する優美の愛情、絵の才能を見出し、自らの技術と魂のすべてを注ぎ込む貴彦の姿…。それは紛れもなく、血の繋がりを超えた、あまりにも切なく、そして美しい絆の物語です。

読者は、この生活が長くは続かないことを知りながら、ページをめくります。だからこそ、七夕の短冊に書かれた亮の幼い願い「みんなといっしょで ずっとくらしたい」という一文が、心を締め付けるのです。これは、社会のルールと個人の幸せの間に横たわる、どうしようもない断絶を描いた、魂の記録でもあります。

【深掘り解説②】誘拐ミステリーから、圧巻の人間ドラマへの変貌

序盤、読者は新聞記者・門田と共に、30年前の未解決事件の謎を追います。緻密な取材、警察内部の人間模様、二転三転する捜査状況。まるで上質な社会派ミステリーを読んでいるかのような緊張感が続きます。

しかし、物語が進むにつれて、焦点は「誰が犯人か」という問いから、「なぜ、彼らはそう生きるしかなかったのか」という、より深く、普遍的な問いへとシフトしていきます。刑事、記者、画家、被害者、そして加担者…。それぞれの登場人物が抱える葛藤や信念が丁寧に描かれ、物語に圧倒的な奥行きを与えています。

この物語の凄みは、事件の真相が明らかになるにつれて、読後感がサスペンスのスリルから、人生そのものについて考えさせられるような、重厚な感動へと変化していく点にあります。「面白かった」だけでは終わらない、心に長く残り続ける読書体験が、ここにはあります。

【深掘り解説③】「存在」を問う、写実画に込められた魂のメッセージ

本作を唯一無二の物語にしているのが、写実画というテーマです。それは単なる物語の背景ではありません。登場人物たちの生きる哲学そのものです。

「世界から『存在』が失われていくとき、必ず写実の絵が求められる。それは絵の話だけじゃなくて、考え方、生き方の問題だから」

作中で貴彦が語るこの言葉は、物語全体のテーマを貫いています。情報が溢れ、あらゆるものがデータ化され、質感(リアル)が失われていく現代。そんな時代だからこそ、目の前にあるものを丁寧に、真摯に見つめ、その「存在のすべて」を描き出すことの意味を、物語は問いかけます。

貴彦から亮へと受け継がれる絵筆は、単なる技術の継承ではありません。それは、どんなに過酷な運命の中でも「本物」を見つめ続けようとする、人間の魂のバトンなのです。読み終えた後、きっとあなたも、普段見過ごしている日常の風景の中に、かけがえのない「存在」を見つけたくなるはずです。

🎧この感動を、「耳で観る映画」として120%味わう方法

もし、今あなたが想像した、あの涙なしには語れない「親子の別れの場面」を、登場人物たちの震える声や息遣いと共に、直接鼓膜で感じられるとしたら…?

『存在のすべてを』のAudible版は、まさにそんな体験を可能にしてくれます。


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🧭『存在のすべてを』登場人物と簡易年表

「登場人物が多くて混乱しそう…」「時間軸が複雑でついていけるか不安…」
ご安心ください。物語の世界に迷わないよう、主要な登場人物と物語の簡単な年表をまとめました。クリックして、旅の地図を手に入れてください。

▶ 【微ネタバレ注意】主要登場人物&簡易年表を開く

主要な登場人物たち

  • 門田次郎(もんでん じろう): 大日新聞のベテラン記者。30年前の未解決事件の真相を執念で追う、物語の探求者。
  • 内藤亮(ないとう りょう)/如月脩(きさらぎ しゅう): 幼少期に誘拐され、3年後に帰還した青年。後に天才的な写実画家となる、物語の中心人物。
  • 野本貴彦(のもと たかひこ): 孤高の写実画家。画壇の権威主義に嫌気がさしている。亮の運命を大きく左右する「育ての父」。
  • 野本優美(のもと ゆみ): 貴彦の妻。心優しく、亮を我が子のように慈しむ「育ての母」。
  • 土屋里穂(つちや りほ): 画廊の娘で、亮の高校時代の同級生。彼の才能と人柄に惹かれ、長年想いを寄せている。
  • 野本雅彦(のもと まさひこ): 貴彦の兄。物語の大きな混乱の元凶となる人物。
  • 岸朔之介(きし さくのすけ): 銀座の画廊「六花」のオーナー。貴彦の才能を信じ、支援を惜しまない。
  • 中澤洋一(なかざわ よういち): 元神奈川県警の刑事。時効後も事件を追い続けていた。彼の死が物語の引き金となる。

物語の簡易年表

  • 平成3年(1991年): 神奈川で二児同時誘拐事件が発生。内藤亮(4歳)が行方不明に。
  • 平成6年(1994年): 亮(7歳)が祖父母の家に帰還。「空白の3年間」の謎が残る。
  • 約10年後: 亮と里穂が高校で出会う。
  • 事件から約30年後(令和時代): 週刊誌が、人気画家・如月脩が誘拐事件の被害者・内藤亮であることを報じる。
  • 令和3年(2021年): 元刑事・中澤の死をきっかけに、記者・門田が本格的な再取材を開始する。

❓『存在のすべてを』に関するよくある質問

Q. 著者の代表作『罪の声』と似ていますか? どちらを先に読むべき?

A. どちらも「過去の未解決事件」と「記者の取材」を軸にしている点で共通していますが、物語の読後感は大きく異なります。『罪の声』が事件の社会的な影響や、翻弄される人々の苦悩をリアルに描き、ビターな余韻を残す社会派ミステリーであるのに対し、『存在のすべてを』はミステリー要素を入り口に、最終的には「家族の愛」という非常にパーソナルで感動的なテーマに着地します。どちらから読んでも楽しめますが、より心揺さぶる感動やカタルシスを求めるなら、本作から手に取ってみるのがおすすめです。

Q. 美術や絵画に詳しくなくても楽しめますか?

A. 全く問題ありません。むしろ、この物語をきっかけに「写実画を初めて知った」「美術館に行きたくなった」というレビューが非常に多いです。作中では、絵画の専門的な知識がなくても理解できるよう、登場人物たちの会話を通して、写実画の魅力や美術界の仕組みが自然に解説されています。物語の感動を味わう上で、事前の知識は一切不要です。

Q. 結末がもやもやする、貴彦はどうなったの?という感想を見かけますが…。

A. 確かに、物語は全ての謎に明確な答えを提示して終わるわけではありません。特に主要人物である野本貴彦のその後の人生については、読者の想像に委ねられる部分が大きいです。しかし、多くの読者はその「余白」こそが、この物語の深い余韻を生んでいると感じています。明確な結末がないからこそ、私たちは読み終えた後も彼らの人生に思いを馳せ、物語が自分の中で生き続けるのです。スッキリとした結末だけを求める方には少し物足りないかもしれませんが、心に残る物語を探している方にとっては、忘れられない読書体験になるはずです。

💌それでも「本物」を信じたい、あなたへ

情報が溢れ、何が真実で何が虚構か、見えにくくなった時代。私たちはいつの間にか、物事の表面だけをなぞり、その奥にあるはずの「魂」に触れることを忘れてしまうのかもしれません。

『存在のすべてを』は、そんな現代に生きる私たちに、静かに、しかし力強く語りかけます。「目の前にある存在を、ただひたむきに見つめること」の尊さを。

たとえそれが、社会の基準では「間違っている」とされる関係性であっても。たとえ、いつか終わりが来る、儚い時間であったとしても。そこに確かに存在した温もり、交わされた言葉、流された涙。それこそが、誰にも奪うことのできない「真実」なのだと。

もしあなたが日々の喧騒の中で、何か大切なものを見失いそうになっていると感じるなら。この物語は、あなたの心に深く染み渡り、明日へと向かう静かな力を与えてくれるはずです。

📣【追伸】文字だけでは味わえない、『存在のすべてを』の魂の聴き方

記事の途中でも少し触れましたが、この物語がもたらす感動を、さらに何倍にも増幅させてくれるのがAudibleによる「聴く読書」です。

なぜなら、この作品のAudible版は、単なる朗読の域を超えた、一つの完成された「音の芸術作品」だからです。

魂を揺さぶる、蒼木智大氏の「声の演技」

多くのリスナーが絶賛しているのが、ナレーター・蒼木智大氏のパフォーマンスです。

「ナレーションだけで、頭の中ではまるで映画を観ているようなリアルな映像が再現されてきました。」

「登場人物の繊細な心の内が丁寧に描写されており、物語が進むにつれて登場人物と一緒に胸が痛くなるような感覚になった。」

彼の声は、時に事件を追う記者の冷静な視点となり、時に我が子を想う母の震える声となり、物語に圧倒的な臨場感と深みを与えます。特に、クライマックスの感情がほとばしるシーンは、文字で追う以上の衝撃をあなたの心に直接届けてくれるでしょう。

あなたの日常が、物語の舞台に変わる

19時間近い長編と聞くと、少し気後れするかもしれません。しかし、Audibleなら、その長さがむしろ喜びになります。

「通勤途中で聴いています。…だんだん慣れてくると一気に物語引き込まれ、続きを聴くのが楽しみになりました。」

いつもの通勤電車が、事件の真相に迫る取材の現場に。退屈な家事の時間が、北海道の美しい風景の中で過ごした親子の、切ない思い出のシーンに変わる。あなたの「スキマ時間」が、極上の没入体験へと変わるのです。

目で読む読書とは一味違う、五感に訴えかける物語体験を、ぜひ一度味わってみてください。きっと、忘れられない30年間の旅になるはずです。


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